私の砂の国(2018)
インクジェットプリント9枚
この作品は, 成長した大人も子供たちの豊かで純粋な視点を思い出すべきではないかという意図のもと制作した。砂場での小さい子供目線のワクワク感や高揚感をテーマに撮影している。
特に3歳から小学校低学年・中学年くらいまでの年齢の子供は, 自分が砂で作り出したモノや環境をまるで本物かのように扱い, 本気で自分が砂の世界に入り込んで夢中になって遊んでいる。彼らの中では現実と遊びの世界の境界が曖昧なのだと考える。
大人になると冷静で現実的な思考ができるようになる。すると「砂は汚くて服が汚れる」とか「ピカピカの泥だんご作ってもそのあとどうするの」などと思ってしまいがちであり, たとえ楽しく遊んでいるとしても子供のように遊びの中の世界に没入できるという大人は少なくなると考える。
昭和31年から平成16年までは, 幼稚園設置基準に砂場の設置義務があった。それほど幼児期の心身の発達にとって重要な役割を担っていると考えられていたようである。
砂場で遊ぶ年齢の子供と一緒に遊んでいると, 彼らの発想や話に驚かされることが多々ある。現実や理屈をよく知ってしまった大人も, 物事を多面的に見るために時には子供のような純粋で柔軟な思考も必要かもしれない。
